【精神科医が解説】早く気づいてあげたい子どもの『うつ』について

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今回は決して少なくはない「こどものうつ」に関して解説したいと思います。

ぱぱりん

精神科医として外来をしていますが、「不登校」をはじめ「こどものうつ」で受診するお子さんが増えてきたように思います。

3月24日国立成育医療研究センターのプレスリリースにて「コロナ禍における子供のうつについての調査結果」が発表されました。

ぱぱりん

YAHOOニュースにもアップされていましたね。

あるあるですが、

うちの子に限ってうつになるはずがない!

という考えでいると、気づかないうちに取り返しがつかないところまでいってしまいます。

ぱぱりん

自分のお子さんの異変にうすうす気づいてはいるものの、見て見ぬふりをしているケースや、故意に気づかないようにふるまっているケースもあると思います。

放置していると「傷」は大きく深くなってしまいます。

できるだけ早く介入し、早めに対処することがおすすめ

です。

今回は、「コロナ禍における子供のうつについての調査結果」を解説するとともに、私の臨床経験からの見解を記載します。

目次

対象

全国50自治体から選ばれた小学5年生~中学3年生のこどもとその保護者を対象に調査票を郵送し、こども2,418名(回答率53%)、保護者2,451名(回答率54%)から回答を得たようです。

ぱぱりん

難しいテーマですが、数としてはまずまず集まったものと考えられます。

2021 年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」(実施方法:郵送調査)は、対象を無作為抽出法にて選びました。

ぱぱりん

「無作為」とは、アンケートの対象を選定したのではなく、人為的な介入なしでコンピュータなどで選んだということになります。

無作為でアンケートを郵送で送って、50%以上の回答を得られたのはまずまず多いと思います。

それでは、内容を見てみましょう。

調査内容

調査内容を各質問ごとにピックアップしてみていきます。

文章を読んで質問に答える

以下の文章を読んで質問に答えてください。

太郎君は、この数週間、いつもとちがって、なんだか悲しくなったり、つらい気持ちになったりすることが多くなりました。
いつも体がだるく、疲れていて、夜はしっかり眠ることができなくなっています。あまり食欲もなく、体もやせてきています。
勉強も手につかず、成績も落ちてきました。決めなくてはいけないことも、なかなか決められず、これまでできていた毎日の勉強や習い事などが、とてもつらく感じるようになってきています。

ぱぱりん

このような質問をして、解答を選んでもらいます。

子供へのアンケート結果は以下のグラフです。

その結果、全体の95%が「助けが必要な状態である」と回答しました。

ぱぱりん

子どもの大部分が、文章中の太郎くんに助けが必要と考えています。

一方で、親は下のグラフのように答えています。

自分の子供が、太郎くんと同じ状況である場合、70%が病院を受診させるとありますが、30%は様子を見ると回答しております。

ぱぱりん

子供と違って、親は30%くらいのひとが「様子を見る」と答えています。

やはり、いくらうつ症状があっても病院への敷居は高いと思っている親御さんは多いと思います。医師の私でさえ、病院をすぐに受診させるべきか悩むと思います。

しかし、病院に行かないにしても、何が原因か明確にさせる必要はあると思います。

学校での問題なのか、部活での問題なのか、習い事の問題なのか、あとは気づきにくいですが、家庭、つまりは親自身との問題なのか、気づかないといけません。

ぱぱりん

特に、親自身との問題は、「まさか親である自分が原因なんて」って、灯台下暗し、認めたくないという葛藤が渦巻き気付きにくいです。

どちらにせよ、病院やカウンセラーなど第三者を交えて対話することが必要ですね。

ぱぱりん

何らかの気づきが生まれる可能性が高いです。

子供も親の前では言えないことを、第三者には勝てってくれる可能性があり、そこから活路を見出せるかもしれません。

親は「様子を見る」と言って、問題を先送りしがち。できれば、早期に介入し傷口は浅いうちに対処したほうが良い。

自分が太郎くんと同じ状況(うつ)になったらどうするか?

ぱぱりん

自分が他党君と同じつらい状況になったらどうしますか?という質問をしています。

子供へのアンケート結果は以下のグラフです。

自分が同様の状態になった場合は、小学生は25%、中学生では35%が誰にも相談しないで自分で様子を見る」という答えでした。

ぱぱりん

多くの子どもが問題を自分で抱え込んでしまうことが示唆されます

この結果は、非常に多くの示唆に富んでいると思います。

ぱぱりん

こどもは悩んでいても親にすら相談せずに自分で抱え込んでしまうことがわかります。

子どもの「自分で抱え込んでしまう」という特性をあらかじめ理解、想定していなくてはいけません。

子供は困ったことがあると親に打ち明けてくれるという甘い考えですと、大きな問題を見逃してしまう可能性が高いです。

ぱぱりん

自分の子供は大丈夫、問題があったらすぐに相談してくれるという先入観は捨てて、変化を見逃さないようにしたいです。

勉強の遅れからくる劣等感はできるだけ早く対応すべき

特に勉強の遅れから生じる落ち込み、うつ症状からの登校拒否は少なくありません。

高学年にもなると勉強の内容が高度になり、いったん後れを取ってしまうと授業が異国の世界にいるかのように全く理解できなくなってしまいます。

ぱぱりん

全く理解できない環境に居続けることは非常に苦痛です。
外国語が全くしゃべられない状態で外国に行かされているような状態と思えば想像がつきやすいです。

登校拒否でどうしたらいいのかわからなくなり、私の外来を受診される親子も少なくありません。

はじめは学校に行きたくなくなる原因をはっきりは言いませんが、よくよく聞いてみると「勉強がつらい」と告白してくれます。

親御さんも薄々は気づいていながら「うちの子に限って勉強が遅れているから行きたくないのではなく、いじめがあるのではないか?」と思うようにしています。

しかし、「勉強についていけない」とは、子供としては、なかなか言い出せないため「友達とうまくいっていない」などと理由を作ってしまうケースもあります。

ぱぱりん

勉強の遅れは、できるだけ早く対応するほうがよいです。
遅れると量が膨大となり、対応が非常に困難になります。

勉強が遅れると不登校につながり、不登校になるとさらに勉強が遅れます。

では、どのように対応すればよいでしょうか?

ぱぱりん

やはり、その子にあった個別指導がよいでしょう。

いまでは、少人数あるいは個別指導の塾が増えてきています。

ぱぱりん

ネットの個別指導もあります。

無料で体験学習も行われていますので、ぜひ活用していきましょう。

ぱぱりん

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重症度別の回答

さらに、アンケートに答えてくれたお子さんを「うつの重症度」で分け、それぞれの重症度で「すぐ誰かに相談する」かどうかアンケートした結果が下のグラフです。

うつ症状の重症度が高いほど、「すぐに誰かに相談する(青いバー)」の割合は少なくなり、「誰にも相談しないでもう少し自分で様子をみる」割合が高かったという結果でした。

この結果から、多くの子どもが問題を自分で抱え込んでしまうことが示唆されます。

ぱぱりん

まじめで、問題を抱え込んでしまう子どもほど、誰にも相談できない様子は容易に想像できます。

できれば、一番近い存在である親自身が気づいてあげたいですね。

子供のうつの割合

思春期の子供を対象としたうつ症状の重症度尺度を使用した結果が下のグラフです。

小学5〜6年生の9%、中学生の13%に、中等度のうつ症状が見られました。

回答の詳細を見てみると、印象的な結果があります。

自分はダメな人間とか、家族をがっかりさせているなどと、頻繁に思っている割合がどの年代も10%を超えていることでした。

さらに、

ぱぱりん

死んだほうがいい、自分を傷つけたいと思っている割合も5%前後認められました。

思った以上に深刻です。

思ったいる以上に子供たちは傷ついている可能性を考えておく必要がある

私の外来での印象

コロナ禍で私の外来にもうつ症状で受診されたお子様がいます。

いずれの親御さんも、その子のことを

「昔から手のかからない子でした」
「兄弟の中で、放っておいてもしっかりして自分でできていました」
「何も言わなくても自分でできる子でした」
「まさかこの子が…おもっても見ませんでした」

などとお答えになります。

お子さんは

「親に迷惑がかからないように頑張ってた」
「親が心配しないように頑張っていた」
「兄弟が怒られているのを見て、自分は怒られないように振る舞っていた」

と答えるケースが多いです。

ぱぱりん

手のかからないお子さんほど、精一杯頑張っている可能性があると心の片隅に思っていたほうがいいかもしれません。

そういうお子さんほど、なかなかSOSのサインは出してくれません

ぱぱりん

周囲の大人たち、特に、親が気づくしか、早期発見、早期解決の術はないと思っていたほうがいいと思います

周囲の大人たち、特に、親が気づくしか、早期発見、早期解決の術はない

まとめ

コロナ禍でいろんなイベントが中止あるいは縮小されています。

習い事においても、特にスポーツや芸術系は大会や発表会がなくなるなど、それに力を入れてきたお子さんにとっては、アイデンティティの喪失にも繋がりかねない事態になっています。

頑張り屋さんの手のかからないお子さんほど要注意で、こころは「いっぱいいっぱい」の可能性があります。

周囲の大人、特に親御さんは「うちの子はうつになんてならない」という固定観念を無くして、「なるかもしれない」と「かもしれない運転」で接することで、早期発見、早期治療、早期解決につながると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

👨‍⚕️中規模病院で勤務医をしています。
🌡子供は男の子が3人いて、遊び、ふざけ、いたずらでカオスな毎日を送っています。
💉子どもの中学受験を通じて、子育てや受験に関しての情報発信を行なっています。
🩺好きな教科:算数、理科、数学、物理、化学とゴリゴリな理系マッチョです。

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