【中学受験】受験科目の理科を英語に変えるべきか?

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Twitterで話題の

「中学受験において理科を英語に差し替えるべきかどうか?」

本当に理科よりも英語を重視すべきなのかと疑問が湧きました。

「小さい頃は暗記ではない理科を学ぶ方が将来、必要とされているんじゃないか」

とTwitterで問題提起したわけですが、皆様から色々とご意見をいただき学びが多く、思考する時間も増えました。

私なりの考えのまとめです。

理科Pros」という立場からの意見です。

*ProsというのはPros&Consいって、賛成と反対の立場に立って考えるというディベートなどで使われる考え方です。ある事柄にいくらPros(賛成)だとして、Cons(反対)の立場から物事を考えると見え方が変わって見えます。

どっちもやればいいじゃないという意見はディスカッションとしては陳腐になるので立場を明確にしています。

長いですが、途中には「早期英語教育」への問いかけも書いています。

辛辣なご意見があることを承知で。

以下の写真をご覧ください。 どこでもいるセミが羽化した時の写真です。

画像

そこで小学生低学年の2人がこれを見て質問をしてきたとします。

1人は英語が堪能なお子さんで

「What species of cicada is this?」

もう1人は日本語で

「どうやって白いセミが茶色になるの?」

と質問したとします。

どちらのお子さんが将来見込みがあると感じますでしょうか?

どちらが優秀という答えはありませんが、英語の質問をしてきた方が将来見込みがあると感じるなら「英語派」、後者の質問を推すなら「理科派」と思います。

別の視点で言うと、

どちらのタイプのお子さんが増えてほしいか?

と考えてみるのもいいかもしれません。

私個人的には、後者の方がお子さんが増えてほしいとは思っています。

後者の質問をする子供の方が将来的に自分で問題を見つけて解決する方法を考えてくれるのではないかと感じるからです。

別に英語のお子さんが劣っているという考えではないです。

後者の質問を英語でする方が優秀だろ!っていう議論はしません。

では、どちらの質問が親として答えやすいでしょうか?

多分、英語の質問の方が答えやすいと思います。

ググればすぐ答えが出てきます。

後者の質問はどうでしょうか?

もしかしたら「わからない」で流してしまう親御さんも少なくないと思います。

またさらに「白色が茶色になるのを応用して、白髪染に使えないか?」と言う質問が出てきた時に英語でディスカッションできるでしょうか?

*蝉が羽化した時に白いのは、体に纏っている保護液が白いためです。だから白髪染めには使えません。しかし、何かに応用できるかもしれません。

ご意見で

「英語で理科もやったらいいじゃない?」

というのがありましたが、上記のようなディスカッションをお子さんとできるかどうかが一つのポイントになるのかな?と思います。

できていなければ、英語で理科をやっているとは言い難いと感じます。

やはり英語は親としては教えやすい、教材も豊富、得点化しやすいなどのアドバンテージがあり英語に流れやすいのかなと思います。

一方で、理科は得点化しにくく、教えるにはそれなりの知識と手間も多いですし、方法も一般化されておらず、長い目で育てるという感覚が英語より必要になってくると感じます。

下は2021年海城中学で釣った魚を題材にした理科の試験です。一部しか載せていないで、ぜひネットで全文を見てください。

画像

*下の記事からダウンロードできます。

題材として

・魚の白身と赤身の違い

・魚の解剖

・干物を作る原理→浸透圧の利用

に着目し問題にしています。

私の家は釣りが好きなのですが、釣って楽しいで終わりになっていました。

楽しいで終わりにせずにここまで発展させてこその「理科教育」と反省と学びが多かったです。

こんな内容を英語でできれば理想ですが、英語重視であってもここまで議論できるご家庭は多くはないでしょう。

また、下の写真は2022年11月8日に私と子供が望遠鏡で撮影した「皆既月食と天王星食」の写真です。

この現象が起こる原理を英語で子どもとディスカッションできるでしょうか?

日本語でも望遠鏡の使い方や原理から始まり、月食が起こる仕組みなど説明するのが困難ですよね。

となると、深いところまで英語を使って子供を連れて行けるかどうか怪しいとは思います。

ここからは早期英語への大事な問いかけです。

私の子供は野球が好きなのですが、

・どうやったらカーブを投げられるのか?

・どうやったら流し打ちを打てるのか?

・バッティングセンターで駐車する時「アラウンドビューモニターはどういう仕組みなのか?」

など質問が飛んでくるのですが、こういった会話が英語でできるのでしょうか?

早期英語教育の大きなネックとして考えるのは、

・こうしたクエスチョンを英語で言わないといけないプレッシャーを無意識に与えてないか

・例えこのような質問を英語で子供からされたとして親が英語でしっかり説明を返せているのかどうか

・まともな答えを親が返さない場合、子供は質問しても意味がないので質問すらしなくなるのではないか?

ということです。

結局、そのような状況だとディズニーとかハリポッターなどのよくある題材(ある意味、陳腐な題材)を中心にしてしまっていて、子供からの「なぜ?」を封印している可能性は否めないのではないでしょうか?

決して私の子供が優れているという考えを披露したいわけではなく、お子さんと英語でもそのような議論ができているかどうかの例として挙げました。

言語の黄金期もわかるのですが、知的好奇心の黄金期でもあるのです。

次に

「英語を使える方が交渉などで有利になるので国益になる」

という視点です。

対等な交渉は、互いに武器となるものがないとそもそも成立しないと思います。

昔は、日本も自動車や半導体などの武器があったのですが、どれも斜陽です(依然として半導体製造過程ではシェアを握っている分野があるといっても先人の遺産です)。

人口は減り、主力となる産業も新たにできてきていません。

資源だけではなく、AWSやMicrosoftなどネットインフラまでも支配下に置かれています。

そんな状況でいくら英語が達者になっても国益になるのか疑問です。

せいぜい、短期間の値引きくらいじゃないでしょうか?

今後、武器になる何かを開発しない限り、交渉の場にさえ招かれず、言いなりの未来が待っています。そして、戦争になっても守る価値がない国に成り果ててしまっているでしょう。

やはりそれを打開するには科学技術の進歩の礎となる理科が大事だと思います。

最後に

「理系の職業に就いても英語の重要性を痛感する」

という意見に関してです。

これは気づいてないのかわかりませんが、そもそも理系の職業を選んでその立場に立てたから感じたことだと思います。

では逆に、幼少期に理科よりも英語教育を重視されていたら、果たして理系の職業に同じように就いていたかどうか。

この因果は証明し得ないので明言はできませんが、幼少期に育まれた理科への関心が理系の職へと導いた可能性が高いのではないかと思います。

ただ、幼少期の経験って大人になると忘れてしまっているので、そんな経験したかどうかわからない人もいると思いますが、潜在的には影響しているでしょう。

翻って、英語重視で育っていたら理系の職に就いていたでしょうか?

上でも述べたように英語で話さないといけないプレッシャーやそれに割く時間などで理科への関心を持つ機会が失われてしまっている可能性もあります。

理科社会は無駄が多い、ただの暗記だというのは、

子どもに活きた理科社会を教えられていないのではないか?

という疑問をご自身に投げかけてみるといいかもしれません。

偉そうにいっていますが、僕自身、できていないので戒めとして書いています。

幼少期に子供が感じる疑問、発見などにどれだけ真摯に向き合って答えられるかどうか。

それは日本語であれ英語であれ難しいことだと思いますが、その積み重ねで将来が変わっていくものと感じます。

そしてあくまでも私の考えであって、英語Pros派を否定するものではないです。

一つの問いかけとして参考いただければと思います。

もちろん、「英語Pros」としての考えも持っています。

英語が大事であることは自分でも痛感しています。

ただ、理科を英語に置き換えるという観点においての意見を述べました。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

👨‍⚕️中規模病院で勤務医をしています。
🌡子供は男の子が3人いて、遊び、ふざけ、いたずらでカオスな毎日を送っています。
💉子どもの中学受験を通じて、子育てや受験に関しての情報発信を行なっています。
🩺好きな教科:算数、理科、数学、物理、化学とゴリゴリな理系マッチョです。

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